ロト6の過去データを眺めていると、こう思うことがあります。
「この数字、やたらと出ているな」
そして、次にこう考えます。
「よく出ているなら、この抽せん機はその数字が出やすいのでは?」
この考え方には、ちゃんとした名前があります。しかも、過去に成功した実例があります。
ロト6でも通用するのか、全2,141回のデータで確かめました。
・「よく出る数字」を追う考え方に、成功した歴史があること
・最多と最少で70回も差があるのに、偏っていると言えない理由
・前半で1位だった27番が、後半で何位になったか
・前回の数字が、次の回にまた出るかどうか
・ロトボットの「ホット」は、どのくらい当たっているか
① まず「でたらめならどうなるか」を計算します。
② つぎに実際のデータと比べます。
③ その差が普通のブレの中かどうかを見ます。
コインを100回投げて、表がぴったり50回になることはまずありません。48回や53回になります。これが「普通のブレ」です。
むずかしい言葉は水色の囲みにまとめたので、読み飛ばしても話は通じます。
1870年代、イギリスの技師ジョセフ・ジャガーという人が、モナコのカジノでルーレットの出目を記録させました。
すると、ある台だけ、特定の数字が出すぎていました。
原因は、台の製造上のわずかなゆがみでした。
彼はそこに賭け続けて、大金を手にしたと伝えられています。
これが「バイアス」、つまり機械のクセを追いかける考え方です。
オカルトではありません。物理的なゆがみがあれば、特定の目は本当に出やすくなります。
「最近よく出ている数字は出やすい」という発想は、これと同じです。
では、ロト6の抽せん機にクセはあるのでしょうか。
まず、第1回から第2141回までに引かれた本数字12,846個を、ぜんぶ数えました。
(ボーナス数字は含めていません)
数字は43種類あるので、1個あたりの平均は約299回です。実際は、こうでした。
70回も違います。これだけ見ると「6番にはクセがある」と思いたくなります。
でも、ここが落とし穴でした。
パソコンの中に、まったくクセのない完全に公平な抽せん機を作りました。
そこで2,141回ぶんの抽せんをして、いちばん多い数字と少ない数字の差を測ります。これを1万回くり返しました。
| 最多と最少の差 | |
|---|---|
| 完全に公平な抽せん機(1万回の平均) | 71回 |
| 実際のロト6 | 70回 |
ほとんど同じです。
クセのない機械でも、2,141回やれば平均で71回くらいの差はつきます。10回のうち8回は、58回〜85回の間に収まりました。
実際の70回は、そのど真ん中です。
公平な機械で70回以上の差がついたのは、10回のうち5回以上でした。
サイコロを100回振って「6が21回、1が12回」出ても、そのサイコロがゆがんでいるとは言えません。それと同じことでした。
統計の判定(カイ二乗検定)でも確かめました。値は30.1(自由度42)です。公平な抽せん機を2,000回まねて、これ以上の値が出た割合(p値)は約0.8でした。0.05を下回ると「偏りがある」と判断しますが、大きく上回りました。読み飛ばしても結論は変わりません。
ここが、この記事でいちばん大事なところです。
ジャガーが勝てたのは、クセが消えなかったからです。台のゆがみは、直さない限りずっと残ります。だから、記録し続ければ儲かりました。
逆に言えば、クセが続かないのなら、追いかけても意味がありません。
そこで、2,141回をまっぷたつに割りました。前半1,070回と、後半1,071回です。
前半でよく出ていた数字のトップ5が、後半で何位だったか。
| 数字 | 前半の順位 | 後半の順位 |
|---|---|---|
| 27番 | 1位 | 36位 |
| 37番 | 2位 | 15位 |
| 12番 | 3位 | 41位 |
| 38番 | 4位 | 17位 |
| 23番 | 5位 | 39位 |
43個中の順位です。順位が小さいほど、よく出ています。
トップ5が、そろって後半で順位を落としました。
とくに12番は、前半3位から後半41位。43個中、下から3番目です。
もし前半を見て「27番は熱い」と判断していたら、後半のあいだ、ずっと外していたことになります。
43個すべてで「前半の順位と後半の順位が、どれくらい似ているか」を点数にしてみました。
完全に同じなら100点、まったく無関係なら0点という点数です。
少しマイナスですが、これも普通のブレの範囲でした。
前半の出方から、後半は読めませんでした。
この点数は順位の相関係数を100倍したものです。実際の値はマイナス0.134でした。公平な抽せん機を3,000回まねると、絶対値がこれ以上になる割合は41%で、ふつうのブレは±0.16ほどです。統計的にゼロと区別がつきません。
「前回出た数字が、また出る」。これもよく言われます。
2,140組すべてで数えました。
| 前回の6個のうち、次回にも出た数 | |
|---|---|
| 実際のロト6 | 0.83個 |
| でたらめのとき | 0.84個 |
差は0.01個です。ほとんど同じでした。
「赤が続いたから次も赤」は、ロト6では成り立ちませんでした。
3つとも「クセなし」でした。ルーレットでは通用したのに、なぜロト6では通用しないのでしょうか。
理由は、はっきりしています。
ルーレットは、同じ台をずっと使います。ゆがみは、直さない限り残り続けます。だからクセが積み重なります。
ロト6は、抽せんのたびにボールを入れ直して、混ぜ直します。前回の結果は、次回に持ち越されません。クセが居座る作りになっていないのです。
ジャガーが勝てたのは、台に直らない欠陥があったからです。
ロト6には、それが見つかりませんでした。
ロトボットの予想アプリでも、「直近30回でよく出た数字」の上位20個を使っています。
これが、本当に当たりやすいのか。実際に測りました。
各回より前の30回だけで20個を決めて、その回の当せん本数字6個のうち、何個が入っていたかを数えます。
でたらめに20個選んでも、平均で2.79個(6個×20÷43)入ります。実際も2.79個でした。
公平な抽せん機でも、同じ以上になる割合は10回のうち5回。ごくふつうの結果です。
つまり、「よく出ている数字を選ぶ」ことに、当たりやすさを上げる効果はありませんでした。
では、よく出ている数字を見るのは無意味なのでしょうか。
ロト6は、43個から6個を選びます。組み合わせは約609万通りです。何の手がかりもなく決めるのは、大変です。
ホットは、当たりやすさを上げる道具ではなく、選ぶ手がかりを作る道具です。
手がかりを作るなら、その中身と限界を、この記事のように数字つきで公開する。それが「なんとなく熱い数字」との違いだと思っています。
気をつけたいのは、ひとつだけ。
「ホットだから、いつもより多く買う」——この使い方は、おすすめできません。
よく出ていても、出ていなくても、1回の抽せんで選ばれる見込みは約14%のままだからです。
絞り込みの根拠と限界を全部見せている予想アプリを無料で使えます
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