ロト予想の世界に「スライド数字」という考え方があります。
前回の当選番号の前後の数字(±1)が、次の回に出やすい——という説です。
たとえば前回15が出たら、次は14や16が来やすい、というわけですね。
実際に過去の当選結果を眺めると、たしかに「前回の隣の数字」がよく出ています。本当に当たりやすいのか、ロト6の全2118回で検証しました。
先に結論です。スライド数字は「よく当たる」——でも、それはランダムでもまったく同じでした。
前回の当選6個それぞれの前後(±1)を集めると、候補は平均11個ほどになります(重なりや端の数字で多少増減します)。
この候補のうち1個以上が次回の当選番号に入っていた割合を、全2117ペア(第1回→第2回、第2回→第3回…)で数えました。
85.4%——かなりの高確率です。数字だけ見ると「これは使える!」と思いますよね。
でも、ここで大事な比較があります。完全なランダム抽選での理論値は85.1%なんです。
種明かしをすると、候補が43個中11個ほどもあるから。
43個から6個を選ぶ抽選で、11個の網を張ればどれか1個は高い確率で引っかかる——それだけのことでした。
実測85.4%とランダム理論85.1%の差はわずか0.3ポイント。ほぼぴったり一致しています。
1個以上だけでなく、何個当たったかの内訳も調べました。ランダムの理論値(超幾何分布)と並べます。
| 次回に当たった スライド数字 | 実測 | ランダムの 理論値 |
|---|---|---|
| 0個 | 14.6% | 14.9% |
| 1個 | 35.5% | 36.1% |
| 2個 | 33.4% | 32.3% |
| 3個 | 12.9% | 13.6% |
| 4個以上 | 3.5% | 3.1% |
※全2117ペアの実測。平均は実測1.55個・理論1.54個。理論値は各回の候補数に応じた超幾何分布の平均です。
どの行も理論値とほぼ一致。1〜2個当たるのがいちばん普通で、それはランダムでも同じです。
ちなみに「1個以上当たり」の連続記録は最長36回ありました。
直近で何回か連続して当たっていても、歴史的にはめずらしくも何ともない、ということです。
それでも「予想に混ぜたら少しは効くのでは?」と思い、当サイトのガチ23(統計分析で絞った23個のプール)にスライド数字の加点を組み込むバックテストをしました。
加点の強さを何段階も変えて試すと、ある設定で成績が良く見えることがあります。でも、たくさんの設定を試していちばん良かった結果だけを見れば、偶然でも良い数字は出ます。これが“後出しの罠”です。
そこで正しい検証をやり直しました。前半のデータだけで最適な設定を選び、その設定を後半(未知のデータ)に当てはめる方法です。
| 通常のガチ23 | スライド加点あり | |
|---|---|---|
| 後半1,044回で 6個全部的中 | 20回 | 18回 むしろ悪化 |
※前半データだけで加点の強さを選び、後半の未知データに適用した結果です。
結果はむしろ悪化。前半で「良く見えた」設定は、後半では通用しませんでした。
スライド数字を足しても、当せんに近づく効果は確認できませんでした。
答えはシンプルです。ロト6は毎回ボールをすべてリセットして抽選する独立した試行だからです。
抽選機は「前回どの数字が出たか」を知りません。だから前回の隣の数字が特別に出やすくなる理由は、そもそも存在しません。
「隣が来やすい」と感じるのは、候補を11個も張っているから当たって見えるだけ。網を大きくすれば何かは当たる、という当たり前の話でした。
※ 統計タブでスライド数字の実測データを公開中です(毎週自動更新)