今月の8月6日、ロト6の第2126回で1等が1口出ました。金額は6億円です。
ところがその回、約1億6千万円が次の回へ繰り越されました。
「1等が出たら、キャリーオーバーはゼロになるはずでは?」
そう思った方は、ぜひこの先を読んでみてください。これはミスでも例外でもありません。
2021年5月27日、第1589回。
この回も1等が1口出て、6億円が支払われました。
それでも、次の回へ回されたお金はこれです。
6億円を手にした人がいるのに、その2.8倍のお金が手つかずで残ったということです。
なぜこんなことが起きるのでしょうか。
理由はひとつです。
1等としてもらえる金額には上限が決められているからです。
売り上げのうち当せん金に回るお金は、1等が出なかった回のぶんがどんどん積み上がっていきます。これがキャリーオーバーです。
ところが、いくら積み上がっても1人に渡せる金額はそこで打ち止めになります。
あふれたぶんは消えるわけではなく、そのまま次の回へ回されます。だから「1等が出たのにキャリーオーバーが残る」という、一見おかしな状態になるのです。
ここがロト6の面白いところです。天井はひとつではありません。
データを見ると、1等の金額が何度もぴたりと同じ数字で止まっているのが分かります。全2130回を数えるとこうなりました。
| 止まった額 | どんな回か | 回数 |
|---|---|---|
| 2億円 | 繰り越しがない回 | 217回 |
| 4億円 | 繰り越しがあった回 (2000年〜2017年1月) | 49回 |
| 6億円 | 繰り越しがあった回 (2017年3月〜いま) | 65回 |
※「1等の金額がその額でぴたりと止まり、かつ繰越が残った回」を数えたものです。
そして、きれいに分かれていました。
2億円で止まった217回は、すべて繰り越しがゼロで始まった回でした。
4億円と6億円で止まった114回は、すべて繰り越しが乗っていた回でした。例外は1回もありません。
つまり、ふだんの回の天井は2億円。繰り越しが乗っている回だけ、天井が6億円まで伸びるということです。
その6億円という高いほうの天井も、もとは4億円でした。2017年3月の第1157回から、いまの6億円になっています。
もうひとつ、面白い事実があります。
この天井はその回ぜんぶで6億円までという意味ではありません。1口あたり6億円までという意味です。
だから、同じ回に2人当たれば——
いまの6億円の天井で2人そろって受け取った回は、これまでに3回あります。天井が4億円だったころも入れると8回です。
「天井があるから、たくさん当たっても総額は変わらない」——そうではない、ということです。
「1等が出たのに繰越が残る」——珍しい話に聞こえますが、数えてみると違いました。
さらに、そもそも1等が出た回だけで見ると印象が変わります。
2130回のうち1等が出たのは1524回。つまり606回は1等がゼロでした。
その1524回のうち333回で繰越が残っているので——
1等が出た回の、およそ5回に1回は、それでも繰越が残っていることになります。
ここまで6億円の話をしてきましたが、これは特別な回の話です。
天井に当たらずに終わった回の1等は、真ん中あたりで約1億2千万円でした。
いちばん少なかった回は約181万円です。2005年3月17日の第230回でした。
この回は167人が同時に当たっています。1等と聞くと「億」を思い浮かべますが、その回に何人当たったかで金額はまったく変わります。同じ1等でも、山分けする人数しだいということです。
ちなみに、これまででいちばん大きく積み上がった繰越は第1588回の約18億8千万円でした。その次の回が、さきほどの第1589回です。
ここがいちばん大事なところです。
キャリーオーバーがあっても、当たりやすさは1ミリも変わりません。
ロト6の1等が当たる確率は、繰越があってもなくても約610万分の1のままです。抽選機は前の回のことを覚えていません。
変わるのは当たったときの金額だけです。
そしてもうひとつ、あまり語られない事実があります。これも数えてみました。
買われた枚数そのものは公表されていませんが、いちばん当たりやすい5等の口数を見るとおおよその見当がつきます。
| その回に乗っていた繰越 | 5等の口数 (真ん中あたり) |
|---|---|
| 繰越なし | 約16万9千口 |
| 5億円未満 | 約19万6千口 |
| 5億〜10億円 | 約22万6千口 |
| 10億円以上 | 約24万9千口 |
※直近500回(第1631回〜第2130回・2021年10月以降)で集計しました。売り上げの規模が時代によって違うため、最近の回にそろえています。
繰越が10億円を超えている回は、繰越がない回の約1.5倍も5等が出ています。
5等の当たりやすさは毎回同じですから、これは買っている人がそれだけ多いということです。
買う人が増えれば、当たったときに山分けする相手も増えやすくなります。
「大きい回だから期待できる」と言い切れないのは、このためです。
※ 過去2130回の当せん金と繰越も、そのまま見られます